日本の小さな変化とアメリカの大きな変革
兵庫県知事選挙で前知事の斎藤元彦さんが知事辞職後の県知事選に見事勝利したことは、マスコミでも大きく取り上げられています。
斎藤知事は、パワハラだのおねだりだの知事への非難をマスコミにリークした元県職員の自殺を発端にして、県議会やマスコミから散々に非難を浴び、県議会で百条委員会という議会の裁判までかけられた上に、兵庫県議員全員から知事辞職を要求され、自ら知事辞職を選択しました。
斎藤知事は、その後の知事選に再出馬し、見事選挙に勝利したのですが、選挙活動中に自殺した元県職員の公用パソコンの不正利用や、前回知事を務めていた時期には1千億円以上もかかると言われる県庁新築工事を止めて、冷房も無い公立高校の設備投資に予算を振り分けるために尽力していた等の新たな事実が次々に明るみになり、再選に繋がったのです。
斎藤知事が辞職し、次の知事選のために早朝の駅前にたった一人で辻立ちして、駅に向かう人に「おはようございます」の挨拶をしている動画を関西ローカルのテレビ局がYouTubeに上げていていました。
私もそれを見ましたが、「これはとても勝てないだろう」と思っていました。
しかし、その後、心ある県議会議員がNHK党の立花孝志さんに百条委員会の未公開動画や自殺した県職員が使用していた公用パソコンの中味をリークしたことから、知事選の状況は激変し、共産党以外のほぼ全ての政党が支持していた女性候補に勝利しました。
「立派な県庁を建設するよりも、老朽化して冷房も無い県立高校で快適に生徒が教育を受けられるようにしよう。県立大学も無償化して経済的に厳しい学生でも教育が受けられるようにしよう」
こうした斎藤知事を政党ガチガチの推薦を得た候補者を差し置いて兵庫県民は選んだ、ということです。
これは兵庫県で起こったことですから、日本全体としては小さなことなのでしょうが、既存の政党が握る政治を大きく変えたということは、「大きな変化」と言えると思います。
その一方で、海の向こうのアメリカでは、国家全体に大きな変化が起きようとしています。
トランプさんの新たな政権が来年からいよいよ始まりますが、世界でも指折りの資産家であり、優れた経営者であるイーロンマスクがトランプ政権に加わります。
イーロンマスクは、新たに創設された「政府効率化省」の長官に就任します。
文字通り政府の無駄な支出や非効率を削減し、政府の無駄な支出を減らして、規制も緩和していくために創設された政府機関です。
アメリカ政府は、2024年でいうと収入は4.2兆ドルに対して支出は6.75兆ドルなので、1.83兆ドルは国債を発行する等して、借金で補わなければなりません。
支出の内、金利支払いのために支出全体の13%を充てなければならないのです。
日本政府も同様ですが、毎年借金を重ねていますからアメリカ政府の借金は約34兆ドル(約5300兆円)に達しています。
日本政府の借金も多いのですが、やはりアメリカ政府の借金の額には及びません。
イーロンマスクは「このままアメリカ政府の財政赤字が拡大すれば、政府は金利を払うために借金をしなければならなくなる、その内アメリカ政府の収入が全て金利支払いでなくなってしまうぞ!」と想定しているのです。
だからイーロンマスクは、まずは政府支出を減らすために、トランプ大統領にも働きかけて、政府効率化省を創設させ、自身が長官に就任したのです。
兵庫県知事の斎藤さんが既存利権も守ろうとする県議会やマスコミに滅茶苦茶叩かれたように、イーロンマスクも既存利権を享受している人たちから散々叩かれるでしょう。
しかし、アメリカは今後トランプ政権が取り組んでいくことになります。
この政府効率化省とこれからの兵庫県県政がどのように機能するのか?
これは楽しみですね?