トランプ大統領で世界経済はどうなる?

トランプ大統領になって、来年以降の世界経済はどう変化するか?について、今回は考えてみたいと思います。

まずトランプさんの税制政策ですが、「アメリカ国民には優しく、その分他国には厳しく、とりわけ中国には厳しく!」です。

アメリカ国民の税負担は極力抑える。

「法人税率も下げるし、レストラン等で受け取ったチップも非課税にし、サラリーマンの残業代も非課税にする」とトランプさんは選挙運動期間中に発表していました。

以前大統領を務めた時、トランプ大統領は公約したことはほぼ全て実行に移しましたから、今回も選挙期間中の発言は公約として実行するのでしょう。

アメリカ国民の税負担を軽くする分、輸入関税を引き上げて国内で減少する税金を海外からの関税によって賄おう、特に中国からは「がっぽり取ってやろう!」というのが、トランプ大統領の戦略です。

これは、世界の覇権国であり「輸入と消費の超大国」であるアメリカにしかできないことです。

しかし、今は世界経済が沈滞に向かっている時期です。

世界で経済規模がアメリカに次いで第2位の中国は「不動産バブル崩壊」の真っ只中で、国内の需要が無いために、最近の輸出は堅調なようですが、利益が出ているとは思えないような条件で世界に粗悪品を供給しているのが現状でしょう。

だから失業者があふれて、お金持ちはどんどん海外へ逃亡している最中です。

経済規模第3位の製造大国ドイツは、脱炭素を進め過ぎてエネルギーコストが上昇し、製造業の大企業がどんどんドイツから逃げ出しています。

ナチスドイツ時代に国民車の製造からスタートしたフォルクスワーゲンでさえ、設立以来初めてドイツ国内の工場を3つも閉鎖することを進めています。

おまけにドイツの製造業は「中国べったり」なのです。

頼りにしていた中国が、どうにもならないような経済不振に陥っているのですから、ドイツの製造業は製造したモノを売る市場が世界にはあまり残っていません。

既に世界経済が厳しくなっているこのタイミングで、世界最大の市場であるアメリカが交易条件を厳しくするのですから、これはどう考えても世界全体が厳しい状況に追い込まれるというのは間違いないですよね?

それでもトランプさんは大統領に返り咲いたら国民に約束したことは必ずやる人です。

トランプ陣営は、現在閣僚人事を次々に発表していますが、外交担当部門や通商部門、安全保障部門は全て「バリバリの反中国」の人ばかりのようです。

そしてトランプさんは「中国には60%の関税を課す!」と公言しています。

バイデン政権も決して中国には甘くはなかったのですが、そうは言ってもトランプさんほどに中国を敵視はしていませんでした。

中国製品のアメリカ輸入は、今でも関税が厳しいのですが、中国企業がアメリカの隣国のメキシコに工場を作ってアメリカに輸入する等の「抜け穴」もあったのです。

しかしトランプ大統領は「中国に協力する国も中国同様の扱いをする」と言っていますから、もうメキシコでさえ中国には協力できなくなります。

メキシコは、今まで「中国!ウェルカム」でしたが、今ではとばっちりを避けるために「中国企業は出て行ってくれ!」に変身しているようです。当然と言えば当然です。

過去中国はアメリカに多数のスパイを送り込んで、最新の技術を盗んだり、政府の機密情報をハッキングしたりと、好き勝手やってきました。

日本では今でもやっているようです。

自業自得と言えばそれまでですが、トランプさんが大統領になることで、中国の国家崩壊が早まることになりそうです。

それだけならまだいいのですが、欧州最大の経済国家であるドイツも中国と共倒れということになれば、それこそ世界経済は極めて厳しい状況となるでしょう。

単なる「経済の下落」とか「世界全体が不況」ならまだマシですが、これがもっと厳しくなって「金融システムの崩壊」とか「世界恐慌」となると、本当に大変なことになります。

何かその方向に世界は向かっているのではないかと、私は思います。

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