アメリカの株高はいつまで続く?
- 「羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますを吹く)」
- とても高温のものを口にしてしまって、火傷してしまい、加熱しない「なます」もふーふーする
こんなことわざが日本にはありますが、今のアメリカのFRBの動きを見てみますと、この日本のことわざがピッタリだと私は思います。
先月は、失業率が4%の大台に乗り、消費者物価上昇率も前年同月比で予想よりも低かったにも関わらず、FRBはまだインフレ再燃を恐れて、5.5%もある短期金利を下げようとはしません。
失業率4%というのは、歴史的に見ても数値だけを考えれば、さほど心配はないのかもしれません。
しかしその中身を見ると求人件数は大きく減少してますし、フルタイムの就業者数も大きく減少しています。
アメリカの短期金利が5,5%というのは、日本のバブルの息の根を完全に止めた「平成の鬼平」こと三重野日銀総裁が行った短期金利の引き上げ(最大6%)にほぼ匹敵する水準です。
POINT
日本のバブルは銀行に対する総量規制(銀行の不動産投資への融資総額の上限を規定した)で半死状態になり、三重野日銀総裁が実行した短期金利(当時の公定歩合)引き上げで完全死しました。
短期金利高水準が継続する中で、アメリカでは住宅ローン金利は年利7%近くに達しています。
アメリカは、個人消費がGDPの7〜8割を占める「消費大国」なのです。
個人消費で最も高額な買い物の住宅が、こうも金利が高いとローンを組んでマイホームを購入する人も減ってきます。
最近では「頭金はゼロでOK!全額ローンで家が持てます」なんてCMまで出る始末です。
FRBのパウエル議長は、コロナのロックダウンが明けた一昨年の始め、消費の拡大でどんどん上昇する物価を「一過性のもの」と放置してきました。
これはバイデン政権も同じです。
しかし、物価上昇は一過性のものではなく、毎月のように前年同月比8%上昇というような強いインフレがアメリカを襲いました。
遅きに失したFRBがドンドン短期金利を引き上げて、ようやくインフレが落ち着きだしたのが昨年の後半から、、
その頃から、アメリカの市場関係者は、FRBの利下げを予想していましたが、FRBは今まで利下げを一度も行っていません。
そんな中で、移民の就業者数は増え続け、既住のアメリカ人の就業者数が減少しつつ失業率もジワジワ上昇しています。
そんな中でアメリカの株価だけは、しっかり高い!
皆さん、ちょっと不思議だと思いませんか?